インペリアル

インペリアル
Imperial
プレイ人数: 2〜6人
対象年齢: 13歳以上
プレイ時間: 180分
作者: Mac Gerdts


「お前の国は俺の物、俺の国も俺の物」

第二次世界大戦前のヨーロッパ、ロシアを舞台にしたウォーシミュレーションの皮を被った株ゲーム。

戦争はあるけど、海軍と陸軍だけで兵器の性能差とかは無し。
足し算、引き算が出来ればドイツ軍の最強戦車とか、イギリス無敵艦隊とかに興味がない女子でも楽しく遊べるのがこのゲームの凄いところ。

プレイヤーはヨーロッパの強国を裏で操る投資家となって、自分が投資している国の国力を上げて利益を得るのが目的。

よくある戦争物のゲームと違って、インペリアルはプレイヤー1人が一国を担当するわけじゃなく、戦争に勝つのが目的じゃないのが面白い。
国をコントロールしてようが、していまいが、戦争に勝とうが負けようが、要は最後に債権と現金を他のプレイヤーより多く持っていればいい。
国をコントロールする権利は、その国の債権を最も多く持ってるプレイヤーにあって、状況によっては担当する国が0ってことも普通に出てくる。

プレイヤーはあくまで投資家であって、国が疲弊しようが戦争で潰し合おうが、自分に利益があれば全然痛くない。
前線で国や家族のために命をかけて戦ってる兵士のことなんか、正直どーでもいいわけです。
むしろ増えすぎた軍隊の維持費を払うのが勿体無くて、無用な戦争をしかけて数を減らして利益を得るという悪魔の計算式が常に行われているという、まるでどこかの太陽系のどこかの惑星のどこかの国と国の戦争みたいじゃね。

そんな罪悪感に苛まれながらプレイヤーは自分の利益になる行動を取っていくわけなんじゃけど、システムはデザイナーであるマック・ゲルツの核心的システムであるロンデルで決まります。
ロンデルシステムについては、「ボードゲーム ロンデル」でGoogle先生に聞いてください。

色々複雑な要素と運が絡まないことで長考気味になりそうなところじゃけど、ロンデルシステムのおかけで行動制限があるので意外とサクサク進んでそんなにダウンタイムは気にならなかったのは好感触。

このゲームの肝は「国のお金」と「プレイヤーのお金」が完全に分けられてることにあります。
銀行↔国庫↔プレイヤーのお金と、お金の流れは相互に関係してるけど、財布は別っていうのを理解してないとゲームを楽しめない。
これがインペリアルの一番解りにくい部分で、これさえ理解出来たらあとはボードゲーム初心者の女子でもついてこれたくらいじゃけえ、つくづく優秀なゲームじゃな〜と感心する。


【評価】
戦略★★★★★
運☆
難易度★★★★
コンポーネント★★★★★
「金は命より重い!」★★★★★